桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけた黍団子…と始まる歌が思い出されます。桃太郎の昔話には①川から流れてきた桃の中から桃太郎が生まれた。②桃を食べた夫婦が若返って、子供をもうけた。③夫婦が神仏に頼んで、子供を授かるという三つのパターンがありました。昔から各地で語り継がれてきた物語が明治時代になって、国定教科書にも採用され、川から流れてきた桃から生まれて、鬼退治をするという物語に画一化されてきました。

「桃」は古来から、呪木といわれ邪気を払い、不老不死の霊薬とされています。中国の伝説や日本の神話にもよくでてきます。

「鬼」は、陰陽道では、丑と寅の間の方角である北東である「鬼門」からやって来ると考えられたので、牛のような角をはやし、虎の皮のふんどしを着けている姿で描かれました。

岡山県では、「吉備津彦と温羅(うら)の物語」の中に桃太郎伝説が語られています。この伝説は、当時、岡山を治めていた吉備の国と大和朝廷との争いがもとになっていると考えられています。古代、吉備は大和に匹敵する勢力を誇っており、しばしば大和に対抗して屈服したことが、『古事記』『日本書紀』などに記述されているからです。

ところで、「桃太郎のはなし」は、おかしいと指摘している本もあります。共通している点は①桃太郎は急に鬼征伐に行くと言い出す。②鬼は悪いことをしてない。③桃太郎は鬼の宝を盗み侵略したということでした。

人によって、また時代によって、そして、地域によって、桃太郎の昔話への評価は違ってくるということがわかりました。